「SFが読みたい!2010年版」の海外編5位ということで、読んでみました。
歴史改変+ハードボイルドという内容なんですが、改変された歴史が「もしユダヤ人がアラスカに住んだら(住まわされたら)」という地味で馴染みのないものだったので、あまりSFテイストは感じられず、普通にハードボイルド小説を読んだ印象でした。
ま、つまらなくはないけど、なんでヒューゴ賞・ネビュラ賞(2大SF文学賞)を取れたのかは不思議に思う作品です。
あと主人公の刑事・ランツマンのイメージは、ちょっと前にクリアしたゲーム「ヘビーレイン」に出てきた探偵のシェルビーがぴったり。
この小説、コーエン兄弟が映画化するらしんですが、ランツマン役は誰がやるのかな。
ユダヤ警官同盟
歴史改変+ハードボイルドという内容なんですが、改変された歴史が「もしユダヤ人がアラスカに住んだら(住まわされたら)」という地味で馴染みのないものだったので、あまりSFテイストは感じられず、普通にハードボイルド小説を読んだ印象でした。
ま、つまらなくはないけど、なんでヒューゴ賞・ネビュラ賞(2大SF文学賞)を取れたのかは不思議に思う作品です。
あと主人公の刑事・ランツマンのイメージは、ちょっと前にクリアしたゲーム「ヘビーレイン」に出てきた探偵のシェルビーがぴったり。
この小説、コーエン兄弟が映画化するらしんですが、ランツマン役は誰がやるのかな。
ユダヤ警官同盟
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『ゲームになった映画たち―シネマゲーム完全読本』吉田武
映画のゲーム化って、正直失敗作・問題作が多いと思うんですが、この本はあえてそんなタイトルたちに光をあて、醜い姿を現実にさらけ出させると同時に、著者(だけ)の限りない愛で包んでしまうという素晴らしい内容。手間のかからない優秀な子供より、いちいち面倒かけるダメな子ほどかわいいというか、そんな気持ちがヒシヒシと伝わってくるのです。
古今東西のシネマゲームを、ゲーム黎明期から網羅するという情報量も圧巻! 『悪魔のいけにえ』ATARI2600版のドットのデカさったらないんですよ!
おちょくり、ツッコミ、賞賛し、けなす。縦横無尽に炸裂する、シネマゲーム愛が凝縮されている一冊です。もうすぐ四十路間近のゲーマー(洋ゲー属性)およびハリウッド映画ファンはぜひ。値段以上の内容は保証します。
映画のゲーム化って、正直失敗作・問題作が多いと思うんですが、この本はあえてそんなタイトルたちに光をあて、醜い姿を現実にさらけ出させると同時に、著者(だけ)の限りない愛で包んでしまうという素晴らしい内容。手間のかからない優秀な子供より、いちいち面倒かけるダメな子ほどかわいいというか、そんな気持ちがヒシヒシと伝わってくるのです。
古今東西のシネマゲームを、ゲーム黎明期から網羅するという情報量も圧巻! 『悪魔のいけにえ』ATARI2600版のドットのデカさったらないんですよ!
おちょくり、ツッコミ、賞賛し、けなす。縦横無尽に炸裂する、シネマゲーム愛が凝縮されている一冊です。もうすぐ四十路間近のゲーマー(洋ゲー属性)およびハリウッド映画ファンはぜひ。値段以上の内容は保証します。
『ハイドゥナン』(上・下)読了
「日本沈没」ならぬ「琉球沈没」を、異端の科学者たちが必死で食い止めようとする男気溢れる近未来SFなれど、最後の最後でなにやら超自然的な決着を迎え(そう読めた)、なんとなくポカンとさせられてしまいました。読解力不足かな~。いや、おもしろいんですけどね。なにかが消化不良というか。同じ著者のデビュー作『クリスタルサイレンス』のほうが、まだわかりやすくておもしろかったなぁ。
「日本沈没」ならぬ「琉球沈没」を、異端の科学者たちが必死で食い止めようとする男気溢れる近未来SFなれど、最後の最後でなにやら超自然的な決着を迎え(そう読めた)、なんとなくポカンとさせられてしまいました。読解力不足かな~。いや、おもしろいんですけどね。なにかが消化不良というか。同じ著者のデビュー作『クリスタルサイレンス』のほうが、まだわかりやすくておもしろかったなぁ。
「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから5年後の世界(@仙台)が舞台。ハリウッド映画のように助かるために最前の努力をするというわけでもなく、とりあえず生き残った(または生き残ってしまった)人々が、淡々と日々の暮らしを続けていく様が描かれていきます。
徐々に迫るタイムリミットに怯えながらも、そこにわずかな希望を見つけ、なんとか進んでいく登場人物たち。連作短編という形式で、家族の和解、復讐、初恋など、いろいろなテーマが語られていきますが、そのどれもが軽すぎず、また重すぎずで、そんなバランスの妙(=作者の技量)が気持ちよく、あっという間に読み終えてしまいました。
「夕焼け空」と「ため息」と、最後に「明日」。そんな印象の作品です。
終末のフール(アマゾン)
徐々に迫るタイムリミットに怯えながらも、そこにわずかな希望を見つけ、なんとか進んでいく登場人物たち。連作短編という形式で、家族の和解、復讐、初恋など、いろいろなテーマが語られていきますが、そのどれもが軽すぎず、また重すぎずで、そんなバランスの妙(=作者の技量)が気持ちよく、あっという間に読み終えてしまいました。
「夕焼け空」と「ため息」と、最後に「明日」。そんな印象の作品です。
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著者としてはひさしぶりのオープンスペース(@お台場)での戦闘描写が新鮮。テロリストの数は小規模でも、起こすテロの規模はなかなかデカくて、かなりの迫力&説得力で読めました。
国を牛耳るごく一部の人たちに翻弄される下っ端たちが、それぞれの立場であがき続けていくというシチュエーションは、すでに“福井節”みたいなもんで、読み手からすれば「あぁ、またか……」とはなるんですが、すでに体がこの“お約束”に慣れ親しんでいるため、読んでいくうちに「盛り上がらされてしまう」自分が哀しくもあり、また嬉しくもありました。
ラストは『亡国のイージス』のようなドンデン返しがなくてやや寂しいものの、著者“らしい”、そして(『終戦のローレライ』とは違って)簡潔な終わり方に好感持てました。しかし、最後に主人公が脱出を試みる場面は、某アニメを彷彿とさせますなぁー。って、そういうオタ気質も含めて、福井晴敏は好きなんですが。
Op.ローズダスト(Amazon)
国を牛耳るごく一部の人たちに翻弄される下っ端たちが、それぞれの立場であがき続けていくというシチュエーションは、すでに“福井節”みたいなもんで、読み手からすれば「あぁ、またか……」とはなるんですが、すでに体がこの“お約束”に慣れ親しんでいるため、読んでいくうちに「盛り上がらされてしまう」自分が哀しくもあり、また嬉しくもありました。
ラストは『亡国のイージス』のようなドンデン返しがなくてやや寂しいものの、著者“らしい”、そして(『終戦のローレライ』とは違って)簡潔な終わり方に好感持てました。しかし、最後に主人公が脱出を試みる場面は、某アニメを彷彿とさせますなぁー。って、そういうオタ気質も含めて、福井晴敏は好きなんですが。
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